【15分で集中維持】作業中の「あれこれ」を一時保管するテクニック
作業中の「あれこれ」、集中を妨げていませんか
日々の仕事や作業に取り組んでいる最中、「そういえば、あのメールに返信しなきゃ」「後であの資料を探さないと」「そういえば、今日の夕飯どうしよう」といった、目の前のタスクとは直接関係のない思考やタスクが次々と頭に浮かんでくる経験は、多くの方にあることでしょう。
これらの思考は、些細なことでも、その場で対応するかどうかを判断したり、気になったことを検索したりするたびに、作業への集中を途切れさせてしまいます。さらに、多くの「あれこれ」が整理されずに頭の中に留まると、思考が散漫になり、「やることが山積み」という感覚を強める原因にもなりかねません。
この「あれこれ」に振り回されず、目の前の作業に集中し続けるためには、どうすれば良いのでしょうか。短い時間で実践できる、一つの効果的なアプローチをご紹介します。それは、作業中に浮かんだ思考をその場で処理せず、一時的に安全な場所に「保管」する習慣を身につけることです。
なぜ「一時保管」が良いのか
作業中に浮かんだ「あれこれ」をその場で処理しようとすると、以下のようなデメリットが生じやすくなります。
- 集中の中断: 別の作業や思考に切り替えることで、元の作業への集中が途切れ、再開にエネルギーが必要になります。
- タスクの増加: 気になったことを調べたり、関連タスクを少し始めたりすることで、想定外の作業が増え、時間の見積もりが狂います。
- 思考の散漫: 頭の中で様々なタスクや疑問が同時進行し、目の前のタスクに十分な思考リソースを割けなくなります。
一方、「一時保管」は、浮かんだ思考を頭の中から一度「外に出す」行為です。これにより、頭の中がクリアになり、目の前のタスクに再び集中しやすくなります。また、「後で必ず確認する場所がある」という安心感が得られるため、「忘れてはいけない」という無駄な思考エネルギーを消費せずに済みます。
15分で始める「あれこれ」一時保管術
この「一時保管」の習慣は、特別なツールや複雑な手順を必要としません。15分あれば、すぐに実践を始める準備ができます。
ステップ1:一時保管場所を決める(約5分)
まず、作業中に浮かんだ「あれこれ」を書き留める場所を一つ決めます。これは、すぐに手が届く、シンプルでアクセスしやすい場所が理想です。
- 物理的な場所: デスクの隅に置いた小さなメモ帳とペン、特定のノートなど。
- デジタルな場所: PCのデスクトップにすぐ開けるテキストファイル、スマートフォンのメモアプリの特定のノート、タスク管理ツールの「受信箱」のような機能など。
重要なのは、「ここを見れば、作業中に気になったことが全て書いてある」という場所を一つに絞ることです。あれこれ場所を分散させると、後で見返すのが億介になったり、結局忘れてしまったりします。仕事に関するアイデアだけでなく、家事や育児で思いついたこと(例: 「牛乳がない」「子どもの歯医者の予約」)なども、同じ場所に一時保管しても構いません。ご自身にとって最も手軽で、忘れにくい場所を選びましょう。
ステップ2:記録ルールを決める(約5分)
次に、一時保管場所に何を、どのように書き留めるかの簡単なルールを決めます。ルールは厳密である必要はありません。後で自分が見返した時に、「何を意図して書いたか」が理解できれば十分です。
- 何を: 浮かんだ「あれこれ」(タスク、アイデア、疑問、気になることなど)
- どのように: 短く簡潔に、キーワードや短いフレーズで書く。「〇〇さんに確認」「△△について調べる」「明日のプレゼン資料、グラフを追加」「トイレットペーパー買う」のように、一目で内容が分かるようにします。長文は不要です。
この記録ルールを決めることで、いざ「あれこれ」が浮かんできたときに、どのように対処すれば良いかで迷う時間をなくすことができます。
ステップ3:15分間の実践練習(約5分)
一時保管場所と記録ルールが決まったら、実際に15分間、普段の作業に取り組んでみましょう。そして、作業中に何か「あれこれ」が頭に浮かんだら、その思考を深掘りしたり、すぐに対応したりせず、決めた一時保管場所にサッと書き留める練習をします。
書き留めたら、すぐに元の作業に戻ってください。これが最も重要なポイントです。最初は違和感があるかもしれませんが、「これは後で確認するから大丈夫」と自分に言い聞かせ、目の前のタスクに意識を集中させます。
この15分間の練習を通じて、浮かんだ思考を「一旦横に置く」感覚を掴むことができます。
このテクニックで得られる効果
15分で一時保管の準備と短い練習を行うことで、以下のような効果が期待できます。
- 集中力の向上: 思考の中断が減り、目の前のタスクに深く集中できるようになります。
- タスクの抜け漏れ防止: 浮かんだ重要なタスクやアイデアを忘れずに記録できます。
- 思考のクリアさ: 頭の中が整理され、「やることが山積み」という感覚が軽減されます。
- 効率の向上: 無駄な切り替え作業が減り、スムーズにタスクを進められます。
習慣化のヒント
15分で準備はできても、すぐに習慣にするのは難しいかもしれません。最初は、1日の始めや終わりに決めた一時保管場所を確認する時間を数分設けることから始めてみましょう。そこに書かれた内容は、改めてタスクリストに追加したり、不要であれば削除したりします。
作業中に「あれこれ」が浮かんだら、「よし、書き留めよう」と意識的に行動する回数を増やすうちに、自然とこの一時保管の習慣が身についていきます。仕事中だけでなく、家事や育児の合間に浮かんだTODOなども、同じ一時保管場所に集約することで、より多くの場面で思考を整理し、目の前のことに集中できるようになるでしょう。
まとめ
作業中に浮かぶ「あれこれ」は、適切に扱わないと集中力や効率を大きく低下させてしまいます。しかし、今回ご紹介した「一時保管」のテクニックを使えば、15分でその準備を整え、思考を一時的に頭の外に出す習慣を身につける第一歩を踏み出せます。
「一時保管場所を決める」「記録ルールを決める」「実践練習をする」というシンプルなステップを、まずは今日の作業から意識してみてください。この小さな習慣が、あなたの集中力を高め、日々の効率を大きく改善する力となるでしょう。