【15分で「困った」を解消】必要な情報にすぐたどり着く整理術
「あの情報、どこだっけ?」をなくすための15分術
日々の業務や生活の中で、「前に見たあの資料はどこに行ったか」「この手続きの方法をメモしたのはどのノートか」と、必要な情報を探すのに時間を費やしていませんか。特に複数のプロジェクトを抱えたり、仕事と家事・育児を両立したりする中で、情報の迷子は大きなストレスとなり、貴重な時間を奪います。
探す時間が積み重なると、たった数分の探し物でも、1日に何度も繰り返せば無視できない時間になります。さらに、情報が見つからないことによる「困った」は、タスクの進行を滞らせ、仕事の質にも影響を与えかねません。
この記事では、そうした「情報探しの困った」を解消し、必要な情報に素早くたどり着けるようにするための、1日15分でできる具体的な整理術をご紹介します。特別なツールは必要ありません。普段お使いのPCのフォルダ機能やメモアプリ、クラウドストレージなどを活用して、情報アクセスの時間を短縮しましょう。
15分で始める情報整理の第一歩
情報を「探す」時間を減らし、「活用する」時間を増やすためには、情報の「整理」が欠かせません。しかし、「整理する時間がない」と感じている方も多いことでしょう。そこで、「15分」という短い時間枠で、継続的に情報整理を進める方法を提案します。
このテクニックのポイントは、完璧を目指さず、まずは「必要な時にすぐに見つかる状態」に近づけることです。
ステップ1:よく探す情報を特定する(15分)
まずは、自分がどのような情報を頻繁に探しているかを具体的に書き出してみましょう。過去1週間や1ヶ月を振り返り、「あの時、探すのに苦労したな」という情報を思い出します。
- 特定の顧客情報やプロジェクト資料
- 頻繁に参照する手順書やマニュアル
- よく使う定型文やスニペット
- 同僚や取引先の連絡先
- 手続きに関する情報(経費精算、休暇申請など)
- 個人的な情報(保険情報、手続き関連のメモなど)
- 子供の学校や習い事関連の情報
このリストアップに15分だけ時間を使います。完璧である必要はありません。思いつくままに列挙することが重要です。このリストは、今後何を優先的に整理すべきかの指針となります。
ステップ2:情報の一時置き場を決める(15分)
リストアップした情報や、今後新しく入ってくる情報について、「まずはここに入れておく」という一時的な保管場所を決めます。これは物理的な場所でも、デジタルな場所でも構いません。
- 物理: 特定のトレイ、クリアファイル、引き出しの一部
- デジタル: PC上の「一時保管」フォルダ、クラウドストレージ上の特定フォルダ、特定のメモアプリやツール
重要なのは、「どこに置くか迷わない」ことです。どこにでも置くと探しにくくなるため、入り口を一つに絞ります。この一時置き場を決めることに15分を使います。既に決まっている場合は、その場所を改めて意識する時間としましょう。
ステップ3:簡単な分類ルールを決める(15分)
一時置き場に集めた情報を、どのように分類して保管するか、大まかなルールを決めます。複雑なルールは維持が難しいため、シンプルさが鍵です。
- プロジェクト別: プロジェクトA、プロジェクトB…
- 目的別: 手順書、連絡先、アイデア、申請関係…
- 頻度別: よく使う、たまに使う、ほとんど使わない…
- 時間別: 2023年、2024年…
- カテゴリ別: 仕事、プライベート、育児、学習…
これらを組み合わせても良いでしょう。例:「プロジェクトA資料」「経費精算手順」「子供の学校連絡網」など、フォルダ名やファイル名、タグ付けのルールをいくつか定めます。このルール決めも15分で終わらせます。完璧な分類を目指すのではなく、自分にとって分かりやすい最小限のルールを設定します。
毎日15分で育てる「自分だけの情報バンク」
上記の準備ができたら、いよいよ日常的な整理・活用に進みます。ここで「15分」の継続が活きてきます。
実践:毎日またはスキマ時間で15分整理する
毎日の始まりや終わり、あるいは会議と会議の間のスキマ時間など、15分を確保して情報整理に取り組みます。
- 一時置き場を確認: 一時置き場に溜まっている情報を開きます。
- 分類・格納: ステップ3で決めたルールに従って、適切な場所(フォルダ、ノートなど)に移動させます。この時、「これはもう使わないな」と判断できる情報は削除またはアーカイブします。
- 新しい情報の入り口を意識: メールで受け取った重要な添付ファイル、チャットで共有された手順、Webで見つけた役立つ情報など、新しく手に入れた情報も、一時置き場を経由させるか、すぐに分類ルールに従って格納する習慣をつけます。この一連の作業を15分で集中的に行います。
15分で実践するためのコツ
- タイマーを使う: 15分と時間を区切ることで、集中力を持続させやすくなります。「終わらなかったらどうしよう」と心配せず、15分経ったら作業を中断して構いません。続きはまた別の15分で行えば良いのです。
- 対象を絞る: 「今日はメールの添付ファイルだけ」「今日はクラウドストレージの特定フォルダだけ」のように、15分で取り組む対象を一つに絞ると、何から手をつけて良いか迷わずに済みます。
- 音楽を活用: 集中できる音楽をかけるなど、気分を切り替えるきっかけを作るのも有効です。
- 完了を記録: 15分の作業が終わったら、「今日の15分整理完了!」と心の中で区切りをつけると、達成感を得やすくなります。
このテクニックがもたらす効果
1日15分の情報整理を続けることで、以下のような効果が期待できます。
- 情報探しの時間削減: 必要な情報がどこにあるか把握できるようになり、探す時間が劇的に減ります。
- タスクの中断からのスムーズな復帰: 中断したタスクを再開する際、関連情報にすぐにアクセスできるため、作業にすぐ戻れます。
- 判断・決断のスピードアップ: 必要なデータや過去の決定事項をすぐに参照でき、意思決定が早まります。
- 精神的な負担軽減: 「あれがない」「どこだっけ」というストレスから解放され、精神的な余裕が生まれます。
- 知識の蓄積と活用: 整理された情報は「自分だけの知識ベース」となり、過去の経験や学びを今後の仕事や生活に活かしやすくなります。
仕事以外の場面での応用
この情報整理術は、仕事だけでなく、家事や育児においても非常に有効です。
- 家事: レシピ、取扱説明書、保証書、掃除や洗濯の手順メモなどをデジタルや物理的に整理する。
- 育児: 学校や習い事の連絡、子供の成長記録、病院関連の情報、お役立ち情報などを一つの場所に集約し、分類する。
これらの情報も、「どこだっけ?」となりがちです。15分を使ってこまめに整理することで、必要な時にすぐに取り出せるようになり、日々の「困った」を減らすことができます。
まとめ:15分を積み重ねて情報迷子から脱出する
情報過多の時代において、必要な情報に素早くアクセスできる能力は、ワーク効率化の重要な鍵となります。「時間がないから整理できない」と諦めるのではなく、まずは1日15分という短い時間から始めてみましょう。
- よく探す情報をリストアップする。
- 情報の一時置き場を決める。
- シンプルな分類ルールを設定する。
- 毎日またはスキマ時間で15分、一時置き場から分類ルールに従って整理する。
この継続的な取り組みが、「情報探しの困った」を解消し、より多くの時間を本来取り組むべき業務や、大切なプライベートのために使えるように導いてくれるはずです。今日から早速、15分だけ時間を確保して、自分だけの情報整理を始めてみませんか。